ツァボライトと聞いて、すぐにはピンと来ないかもしれませんが、これは緑色のガーネットの中でもグリーンガーネットといわれる石の別名です。その価値はティファニーによって広められ、上質なものはエメラルドにも劣らない美しさを備えます。
目次
緑色のガーネット:ガーネットは赤色だけじゃない!
グリーンガーネットがツァボライトと呼ばれる所以
ツァボライト(グリーンガーネット)について
パワーストーンとしてのツァボライト
まとめ
緑色のガーネット:ガーネットは赤色だけじゃない!
柘榴石(ざくろいし)という和名をもつガーネット。その名を聞くと直感的に鮮やかな深紅を想像しがちですが、ガーネットと呼ばれる石には大きく分けて赤いガーネットと緑色のガーネットがあります。今回紹介するグリーンガーネット(ツァボライト)は、ウグランダイトと呼ばれる系列に属します。
ウグランダイト系列にはウバローバイト(Uvarovite)、グロッシュラー(Grossular)、アンドラダイト(Andradite)が含まれます。これら3者に共通しているのが「カルシウムを含む」という点です。逆に3者の異なる点はウバローバイトがクロムを、グロッシュラーはアルミニウムを、アンドラダイトは鉄を、それぞれ構成元素に含んでいる点です。
グリーンガーネットがツァボライトと呼ばれる所以
特にグリーンガーネットと呼ばれる鉱物は、グロシュラーに属します。実は、グリーングロシュラーの発見は意外と新しい出来事です。1967年、英国の鉱物学者キャンベル・ブリッジズが、タンザニアで、透明な緑色を呈したグロッシュラーの大きな結晶を発見しました。その後も探索を続けた彼は、ケニア南部のツァボ国立公園でもグリーングロシュラーを発見します。ティファニー社の社長であったヘンリー・プラットは、この美しいグリーンガーネットを、発見されたツァボ国立公園に因んで「ツァボライト」として販売することにします。
正式にツァボライトと認定されたのは1974年です。ティファニーはツァボライトに限らず、タンザナイトやモルガナイト、クンツァイトなども、価値あるジェムストーンとして世界に紹介したカラーストーンのパイオニアです。キャンベル・ブリッジズは野生動物から身を守るために木のてっぺんにツリーハウスを建て暮らしたことで知られています。そして悲しいことに彼は2009年、ケニアで宝石採掘に関わっている最中、暗殺されてしまいます。
ツァボライト(グリーンガーネット)について
ツァボライトの組成は化学式で表すとCa3Al2(SiO4)3。つまりカルシウムとアルミニウムを含むケイ酸塩ということになります。時々青い反射を伴うその美しい翠緑は、石に含まれるバナジウムとクロムのインクルージョン(内包物)によるものです。
特別なツァボライト、バラカガーネット
ツァボライトはタンザニアやケニアのほか、マダガスカルやカナダでも産出されます。特にケニヤのバラカ(Baraka)鉱山で採掘される、赤い蛍光性をもつグリーンガーネットは「バラカガーネット」と呼ばれ、価値が高いとされます。ネオンサインのようなシャープで鮮烈なグリーンカラーを呈します。宝石としては、比較的手ごろな価格なものも多いガーネットですが、バラカガーネットは別格に高価なものが多いです。良質なバラカガーネットは宝石として十分な硬度があり(モース硬度7~7.5。ダイヤモンドは10)、不純物が少ないため透明度が高く、屈折率が高い(=眩い反射光を放つ)です。この非常にハイスペックなグリーンジェムの美しさは、コロンビア産のエメラルドにも勝るとも劣らないでしょう。さらに、その希少性においてもエメラルドよりも高く、宝石商の間でも高く評価され、1グラムを超える大きさのものはほとんど見つけることができないので非常に高価です。
パワーストーンとしてのツァボライト
ツァボライトは、新しいことを始めようとする人のために、ポジティブな働きをしてくれるといわれます。その効果は、新しいエネルギーを身体に入れ込むことによって、自分自身が“アップデート”することを助けてくれるのです。新しい始まりの準備をしている人は、ツァボライトを付けてみましょう。また、恋愛関係においても効果を発揮するといわれ、停滞しているエネルギーを再活性化することで愛を伝達することを助け、相思相愛を成就させてくれるといわれます。また、その緑色は希望を象徴しています。さらに、ツァボライトの石から発せられるエネルギーは、自信と勇気を与え、大きな変化を促進します。恋愛関係に限らず、友情においても絆が強化され、関係に新しい意味合いをもたらすでしょう。
ツァボライトのパワーストーンとしてのもう一つの性格が、感謝を促すポジティブな石というものです。ツァボライトは寛大さを与え、持つ人は人間性への関心が高まるといわれます。そしてこの石は人間関係に穏やかさと安心感をもたらしてくれます。したがって、ツァボライトを持つ人は良い人脈に囲まれ、あなたの存在価値は肯定されるでしょう。ツァボライトのおかげで、思考がより柔軟になり、自分のあり方に固執しなくなります。仏教やヨガの世界では、心臓部に近いエネルギーのツボであるハートチャクラにも影響を与える宝石です。したがって、感情的な結び目(嫉妬、欲求不満、苛立ち)などを解消し、古いトラウマと負の感情を取り除くのに役立ちます。
※パワーストーンとしての効能はスピリチュアルな見地でのものであり、科学的・医学的効能を証明するものではありません。
まとめ
ツァボライトはガーネットと呼ばれる石の中でも緑色のガーネットの系譜に属するもので、特にカルシウムやアルミニウムを構成要素に持つグロシュラーの一種です。ツァボライトの名はこのグリーンガーネットが発見されたツァボ国立公園に因みます。ヴィヴィッドな緑色を湛えるバラカガーネットは、ツァボライトの中でも高い価値が認められており、エメラルドにも比肩する美しさがあります。
まずは、お気軽にお問い合わせください。
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