現在、コロナ禍で外出制限などもあり、旅行などに行く機会も減ってしまっている中、消費者の関心が高級時計に向けられるようになっています。その中でも、特徴的なデザインで人気になっているブランド【ジャガー・ルクルト】。そんなブランド【ジャガー・ルクルト】の世界をのぞいてみましょう。
目次
ジャガー・ルクルトのはじまり
ジャガー・ルクルトの由来
ジャガー・ルクルトを象徴する複雑機構
ジャガー・ルクルトのコレクション
まとめ
ジャガー・ルクルトのはじまり
ジャガー・ルクルトは、アントワーヌ・ルクルトにより1833年にスイスのジュウ渓谷に拠点を置き、創業。アントワーヌ・ルクルトは知性と創造力を兼ね備えた発明家であり、時を測るという課題を自らに課し、極めて高い精度を実現するキャリバーを生み出すために、非常に小さな部品の開発に必要な道具の製作にいたりました。ジャガー・ルクルトは、製作、組立てまで、すべての工程を当社の熟練職人たちが一貫して行うマニュファクチュール(※1)です。
※1:自社で一貫して腕時計を生産できるメーカー
長い歴史の中でパテック フィリップやオーデマ ピゲへ機械や部品を供給していたり、カルティエと密接な関係があったりもします。現在もスイスの静謐なジュウ渓谷に位置し、この地はアントワーヌ・ルクルトが初の工房を設立した場所と全く同じです。
ジャガー・ルクルトの由来
1903年、フランス人のエドモンド・ジャガーとスイス人のジャック=ダヴィド・ルクルトが出会い、この出会いが時計製造の歴史に革命をもたすこととなります。エドモント・ジャガー・・・フランス人時計職人でパリに拠点を置きクロノメーターをフランス軍に供給。ウルトラスリムなムーブメント製作に意欲的でした。このコラボレーションにより、ジャガーのパリジャンスタイルとルクルト卓越した時計製造のノウハウが誕生していきます。このコラボレーションでウルトラスリムなキャリバーを誕生させたのが、のちの1937年のジャガー・ルクルトという名前の由来となります。
ジャガー・ルクルトを象徴する複雑機構
ジャガー・ルクルトは430以上の発明の特許を取得し、大半は時計製造における指標的存在となりました。卓越した時の解釈を生み出すことを探究し続けてきたジャガー・ルクルトは、ミニッツリピーター、多軸トゥールビヨン、セレスティアルコンプリケーションといった複雑な機構さえも極め続けてきました。ジャガー・ルクルトでは優れた専門の研究チームがアイディアを交換し、真に先進的な作品を開発するため切磋琢磨しています。
共通する時計製造に対する情熱によって一つとなった時計職人、エンジニア、そしてデザイナーが、彼らの技巧を集結し、唯一無二のタイムピースを創造しています。マニュファクチュールの創造力は1,300以上のキャリバーを生み出しています。ジャガー・ルクルトは機械式時計製作の優れた伝統を有するホームであり、その中でタイムピースを通して3つの主要な複雑機構をご紹介します。
●ミニッツリピーター キャリバー
チャイム機構を搭載したタイムピースの小型化への試みは、初期の時計職人たちの革新を追い求める熱意から生まれました。アントワーヌ・ルクルトは、かつてない小さなサイズの部品製造を実現する機械の発明者として、重要な役割を果たしました。
ミニッツリピーターはスライド式のプッシュボタンによって起動し、チャイムを鳴らすことで現在の時刻を知ることができる機械式の複雑機構です。時間を知らせるチャイムは、特定のゴングを打つ小さなトレビュシェ・ハンマーによって奏でられます。ミニッツリピーターは時間単位、毎15分単位、分単位をそれぞれ異なる音色で奏でることで、それぞれの時間を区別できるようにしています。ミニッツリピーターのキャリバーの中には時間通知だけでなく、名高いマスター・ハイブリス・メカニカ・キャリバー184のようにメロディを奏でることができるものもあります。
●多軸トゥールビヨン
ジャガー・ルクルトの時計製造技巧における最高傑作とも呼ぶべきジャイロトゥールビヨンは多軸トゥールビヨンで、あらゆる角度でも重力の影響を相殺することができるため、至高の精度を保証することができる複雑機構です。ジャイロトゥールビヨンは圧倒的な技術効率性を持つと同時に、視覚的な魅惑を有しています。
地球の重力は時計の精度に影響をもたらしてしまいます。18世紀以来トゥールビヨンメカニズムはこうした重力に伴う影響を軽減し、時計職人たちはより正確なタイムピースの開発を実現することができました。トゥールビヨンは計時の位置誤差によって生じるズレを完全に取り除く複雑機構です。
トゥールビヨンでは脱進機とテンプは回転式ケージに取り付けられており、タイムピースが特定の角度で静止した際に重力の影響を無効化します。通常、毎分1回転するスピードで継続的に複雑機構全体を回転させることで、トゥールビヨンは位置の誤差を排除して精度を保ちます。
●セレスティアル コンプリケーション
ジャガー・ルクルトの星図への情熱は星や惑星を計測することから生まれました。なぜなら時計職人たちは、スイスのジュウ渓谷に位置する時計製造のホームの屋根の上に広がる夜空の星図の複雑さと美しさを捉えることに魅了されていたからです。
セレスティアル コンプリケーションは、ムーンフェーズや恒星時といった天体情報を捉える先進の時計機能で、天体に関連するこうした時間的側面の現象を理解するために特別な方法でこれらを表示します。天体学的機能は、ジャガー・ルクルトの複雑機構搭載タイムピースのポートフォリオ内で常に極めて重要な存在であり続けています。太陽、月、恒星時という時の計測を極めたマニュファクチュールの時計職人は、天象を表示あるいは予測さえし得る最も先進で精密なメカニズムを開発するために、絶え間なく革新し続けています。
ジャガー・ルクルトのコレクション
◆「アトモス」空気を原動力として半永久的に作動する置時計
アトモスは、人の介入を必要とせずに半永久的に動き続ける置時計で、ほとんどエネルギーを必要としません。1928年にスイスのエンジニア、ジャン・レオン・ルターがヌーシャテルで発明したアトモスは、1950年以降、スイス連邦の公式の贈答品となっています。1928年に特許を取得した最初のモデルは、現在アトモス1として知られているモデルで、1930年に放射線医学社 (CGR)により販売されました。
◆「レベルソ」反転式ケースが特徴的な不動の角型アイコンピース
ラテン語で「回転する」という意味を持つレベルソは、ポロ競技の際の衝撃に耐えることができる時計として1931年に製作されました。ケースが反転し、時計のガラスを保護できる仕組みとなっています。アールデコ調のクラシカルなデザインで、今日も製造されています。
◆「マスター」シンプルな丸いフォルムの調薄型時計
ハイテクケースと高級時計製造ムーブメントを組み合わせたラインです。マスター・エクストリーム ラインに含まれるマスター・コンプレッサーは、1965年製メモボックス・ポラリスにインスピレーションを得て、2002年に発表されました。マスター・コンプレッサーの名は、ケースの防水性を保証するジャガー・ルクルト特有の圧縮キーに由来します。
◆「ランデヴー」本格的な複雑機構を搭載した女性向け
マスター・コントロール ラインに着想を得た女性向けコレクションで、マザー・オブ・パールのマルカットリーをあしらったダイヤルと、ダイヤモンドをあしらった丸型のタイムピースが特徴的です。
ランデヴー・ナイト&デイは、6時位置に太陽と月のディスプレイによるデイ/ナイト表示を備え、ダイヤモンドをセッティングしたベゼル、自動巻ムーブメントを搭載しています。より大型のランデヴー・トゥールビヨンは、重力の影響を最小限に抑える回転ケージを内蔵し、日付表示を備えたモデルもあります。
他にもスポーティ&エレガンスをテーマに2018年に復活した「JLC ポラリス」など、これまでに誕生した数々のコレクションも、その伝統と歴史的遺産を継承しつつ、デザイン・装飾・機構技術に至るまで常に進化を続け、未来に存続し続けるタイムピースを創り出しています。
まとめ
ここまでジャガー・ルクルトの歴史からコレクションについてお話してきました。長い歴史をもち、こだわりの複雑機構、魅力的なコレクションラインナップがありましたね。昨今の高級時計ブームの中での選択肢の一つに、魅力的なジャガー・ルクルトも検討されてはいかがでしょうか。
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